みんなの学級新聞

日々の生活

給食も立派な勉強の時間

"食育"という言葉が使われるようになって久しい。

 

平成17年に食育基本法、平成18年に食育推進基本計画が制定された。

食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けさせることが目的である。

 

教員として生徒の様子を間近に見ていると驚かされることが多い。

まず、女の子のほとんどが自身の体型や体重を気にしている。

かなり痩せている女子でもダイエットのために給食を減らすのだ。

意識の高い、とある女子生徒はカロリー計算をしているとのこと。

1日1500kcalを摂取しないように気をつけているらしい。

これでは戦時中の摂取カロリー未満である。

低カロリーな日々が続くと、

イライラ、記憶力低下、疲れやすいなどのマイナス症状が起こりやすくなる。

こんな状態で授業や塾で勉強を続けるのだから大変である。

特に家では食べる量が極端に少ないのも特徴。

朝ごはんを食べてこない生徒も少なくない。

女子はダイエット、男子は睡眠欲が勝るとのこと。

そこで重要になってくるのが学校給食である。

各学校にいる栄養教諭や栄養士の管理のもと、

カロリーや栄養がしっかりと計算された給食が子どもには必要である。

 

ところで、部活動で遠征などにいくときにお弁当を用意してもらうと、

各家庭の食事事情や教育事情が見えてくるのが面白い。

私は多くの男の子がそうであるように、唐揚げやチキンバーが大好きな子供だった。

好きなものが一品入るだけで、その日の頑張り方が変わるから不思議である。

今の子も、同じように多くの場合、手作りのお弁当をもたせてもらっている。

 

が、保護者の作ってくれたお弁当のない子どもがいることも事実である。

例えば、

"下の段に白米に醤油をかけたもの、上の段にカロリーメイトを敷き詰めたもの"

というカロリーメイト弁当を毎回持ってくる子どももいる。

自分で早起きして、家にあるもので作ってくるらしい。

その子の家庭は決して貧しいわけではない。

むしろ両親ともに医療関係者である。

それでも家にいない時間が多く、お弁当を作る時間もないのが現実である。

 

共働きの家庭は多い。

そして核家族化が進んでいる現在の家族構成では、

家庭での食育や栄養バランスの取れた食事をコンスタントに摂り続けることは難しい。

なので給食への期待が高まってきているのだ。

 

さて、給食、食育といえば本校では食材を展示する取り組みが行われている。

実際に調理前の食材を触ることができるようになっているのだ。

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もちろんこれらは展示品なので給食に入ることはない。

しかし休み時間には子どもがむにむに触っている様子が見て取れる。

エリンギやしいたけをむにむに触ることで、食材への関心が高まっているのだ。

 

今の子どもは忙しい。

平日は学校→塾で8:00~21:00まで拘束される現実がある。

親と一緒にスーパー等に買い物に行く機会が昔より減っている。

食材を自身の手で触るチャンスが減っているのだ。

 

そこでこの廊下むにむにシステムが非常に効果的なのである。

食材への興味が増し、食べ物を大切にする心を養い、触ることによる癒しを得る。

子どもは無意識にそれらの影響を受けているのだ。

教員としては雑談のネタにもなる。エリンギは手で裂く。などなど。

 

...個人的には、ここに"食材の選び方"も載せてあると嬉しい。