子どもの家出への対応方法(教員目線)
新学期が始まり、子どもの家出がテレビなどで話題になっています。
家出の主な理由は以下の通りです。
①宿題が終わっておらず、教員に叱られるのがいやだ
②宿題が終わっておらず、友だちに馬鹿にされるのがいやだ
③そもそも学校に来たくない
・学習意欲の低下
・人間関係トラブル
・家庭でのトラブル
理由はそれぞれですが、今回のブログのテーマは”家出対応”です。
学校側はどのように家出対応を考えているかを一部紹介します。
よくあるパターンとしては、
①帰りの会終了後、部活動を無断欠席しそのまま行方不明に
②土日の部活動時、部活動に行くふりをしてそのまま行方不明に
の2種類が挙げられます。
今回は①について説明します。
一般的に公立中学校の帰りの会が終わる時間は、16:05〜16:15です。
そのまま部活動に流れます。
多くの学校では生徒は何らかの部活動に参加することになっていますので、
家出が判明するのは部活動終了時刻である18:00以降となります。
だいたいは保護者から19:00以降に「まだ帰宅していない」と連絡が入ります。
連絡が入るとすぐに、当該生徒を担当する学年の教員と管理職が、
保護者と連絡を取り合いながら近隣を探し回ります。
難航しそうな場合は他学年担当の教員も駆り出されることがほとんどです。
公務員の就業時間は16:50までなので、完全に時間外労働となります。
教育とは、保護者、学校、地域が連携をとって行うものですので、
家出については近隣の警察に連絡をし、捜索してもらうこともあります。
ですが、ここに問題があるのです。
まず、捜索願を出せるのは、保護者です。教員は出せません。
そして多くの保護者は、特に集合住宅に住んでいる方の場合は顕著ですが、
警察に捜索願を出すのを嫌がります。
願いを出せば警察が家に来ます。近隣の目が気になるという人が多いのです。
それに「どうせすぐ帰ってくる、トラブルに巻き込まれてはいない」と考えます。
実際トラブルに巻き込まれることは稀で、すぐに見つかることが多いです。
なので警察に捜索願を出す保護者は本当に少ないです。
これは教員が、見つかるまで探してくれるのですから、当然とも言えます。
自分も23:00頃まで探し回ることも何度か経験しています。
お腹を空かせた、寂しくなってきた中学生は、夜には勝手に戻ってきます。
ですが、本当にトラブルに巻き込まれている場合のことを考えると、
教員は動かざるを得ないのです。
連日の自殺や、先日の中1殺害のような事件は、起こってからでは遅いのです。
それこそすべての仕事をストップさせてでも、時間外であろうとも、
捜索隊を組織して探し回らなければならないのです。
もう一度書きます。
捜索願を出せるのは、保護者なのです。
具体的に言うと、
① 保護者
② 配偶者(夫・妻)
③ その他の親族
④ 家出人を現に監護している者
のみが捜索願を出すことができます。教員は、捜索願を出せないのです。
この記事を読む保護者の方がいらっしゃいましたら、
どうぞ失踪が判明した段階で、学校だけでなく、警察にも連絡をしてください。
私たちは教育のプロであり、捜索の専門家ではありません。
子どもがトラブルに巻き込まれてしまう前に、警察にも頼ってください。
家庭、学校、地域で連携し、みんなで子どもを守っていきましょう!