生活記録ノート
生活記録ノートのことを覚えていますか?
おそらくほぼすべての公立中学生が経験をしているはずです。
まじめなことを書いていた人、”つかれた”一言だけだった人、
ひたすら面白いネタを書き続けたクラスメイトもいたはずです。
今日のテーマは”生活記録ノート”です。
単純なねらいとして、
・学校生活の充実:授業準備や提出物の確認を密にする
・日々の前進の糧:日記を書き、反省や明日以降への目標とする
・コミュニケーション:担任との情報共有
とくに最後が大切なのではないでしょうか。
基本的に公立学校は1学級に40人が所属しています。
全員と会話がしたくとも、できない現状があります。
そんな中このノートのやりとりは、有用なコミュニケーション手段となります。
それに会話の多い生徒でも、ノートを通してしか語れないこともあります。
言うなれば、生活記録ノートとは、一種の交換日記なのです。
中学校は小学校と違い、教科担任制です。
なのでホームルームティーチャーでも、実はクラスのことをよく知りません。
子どもからの情報はクラスを知る上で、大変貴重です。
ここで数名のコメントを紹介してみます。
最近の中学生はこのようなコメントを残しています。
男子H:部活OFFだ。うれしい。でも塾がある。あんまりゆっくりできない。嫌だー!
そうなんです、ご存知の通り中学生は忙しいのです。
8:00〜18:00の間は学校で授業や部活動
19:00〜21:00の間は塾で勉強
そして、その後宿題が待っています。大人で言えば過労死レベルです。
女子O:ああ眠い 眠気と戦う 授業中 (川柳です)
そりゃあ眠いでしょう。
しかも最近の中学生は50%以上がスマートフォンを所有しています。
遅くまでLINEやTwitterでやりとりをしている子が多数います。
スマホについてはまたの機会に。
女子U:掃除の時間、石鹸を取りに行きました。場所がわかってよかったです。
廊下の流しにあるはずの石鹸がなくなりかけていたので、取りに行ってもらいました。
取ってくることもできたのですが「保健室の先生に聞いてごらん」とだけアドバイス。
生徒を保健室や相談室につなげるのは大切なことですし、
わからないことを自分から尋ねるというコミュニケーションも学ぶ必要があります。
教員を、もっと身近に。
女子S:今日、久しぶりにテニスをしました。とぉ〜〜っても楽しかったです!
先週は雨が続いていました。
雨が続くと外部活は校内で筋トレや素振りしかできることがありません。
身体は楽になるかもしれませんが、せっかく好きで入った部活動です、
身体を動かし、成果を出すことに喜びを感じる子は少なくありません。
男子Y:給食の時間◯◯くんがめっちゃ笑ってて、笑い声が最高でしたw
たしかにものすごく甲高い声、しかも引き笑いで笑っていました。
もはや鳥類かと言わんばかりの(笑)
静かに食べるようにと指導はできますが、笑い方の指導は難しいものです。
癖や個性は悪いものではない限り認めてあげたいのです。
クチャラーなどはその場で指導し、直すよう心がけてはいるのですが...
などなど、このような日記に、毎日40人分コメントを返しています。
正直、これで50分の空き時間が毎日つぶれてしまうこともざらにあります。
とはいえ生徒理解の面で、非常に大切な仕事なので疎かにできません。
本人の不調だけでなく、いじめの早期発見にもつながることがあります。
本当に、教員とはやりがいのある仕事です。
が、キャパオーバーです。
どんどん効率化していくべきだとも思いますが、
対人関係の仕事はなかなか効率化や削減するのは難しいものがあるんです。
あー、自分がもう一人いたらいいのに。