ツバキ文具店
良い本に出会いました。小川糸さんの、「ツバキ文具店」
代筆屋を営む女性が、用途や依頼主、送り先に想いを馳せながら、どの筆記具を使うか、どのような文体で書くかを試行錯誤する様子が文房具好きの心にジャストミートしました。
また、内容自体も本当に良いです。読んだ後、幸せのため息がでました。年の瀬に、素敵な小説に出会えたのは幸運です。是非とも読んで見てください。きっと手紙が書きたくなりますよ。
さて、先日青山にある書斎館に万年筆を買いに行きました。
去年のクリスマス、ちょうど今頃にそこでアウロラのイプシロンを購入してからというもの、すっかり万年筆の魅力に取り憑かれてしまっています。日々の業務でノートに記入する際に使っているのですが、M字は手帳への記入に関しては不向きだと感じるようになってきました。太すぎるのです。
というわけで、F字の万年筆を探しに書斎館へ。そこでオススメされたのが、パイロットのグランセです。「色彩雫の小瓶もあるので、インクの使い分けも楽しいですよ」ということで<紅葉><松露><露草>も購入しました。
初めてのF字ですが、ほぼ日weeksへの記入はバッチリです。今まで書けなかった生徒用の生活記録ノートへの記入もバッチリです。良いサイズです。買ってよかった。今は露草を使っています。
さて、ここにきてとある問題が新たに発生しています。別の色のインクも試してみたくなってしまっているのです。
去年イプシロンを購入する際に店員さんと話したのですが、その際の雑談で以下のようなやり取りがありました。
「何でそんなにたくさん万年筆をポケットにさしてるんですか?」
「好きだからです。そして、インクの色で使い分けてます」
「素敵ですねー」←よくわかってない
「ありがとうございます。万年筆って奥深いんですよ」
今、少しですが、その気持ちがわかり始めてきています。万年筆は本体はもちろん、インクにも”道”のようなものがあるらしいのです。なんて恐ろしい世界なんだ…。