みんなの学級新聞

日々の生活

子どもの自己肯定感と教育費の関係

「子どもの自己肯定感の高さ」
教育費が月に5万円以上・・・73%
教育費が全くかからない・・・41%
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160502/k10010507021000.html

 自己肯定感の極端に低い子がいます。たくさんいます。猫背で、上目遣いで、前髪が長くて、声が小さくて、何かあるとすぐにごめんなさいと謝る。こんな子がたくさんいます。
 もちろんそのような個性を持つのは悪いことではありません。みんな違って、みんな良いのです。ただ自己肯定感の高い子と比べると、この世界は生きづらいのだと思います。背筋がまっすぐで、目を見て話せて、おでこに太陽の光を浴びて、大きな声で笑顔な人はやはり魅力的で様々な場所で求められます。
 問題解決能力も比較的そのような子の方が高いです。助けてくれる人が多く、また助けを求めることへの敷居も低いです。コミュニケーションを取る機会も多く、また助けを求めるだけでなく同じだけ誰かを助けています。プラスのサイクルを自然に作り出しています。

 さて、では自己肯定感が低い子は何が問題なのか、子育てや教育の視点で考えてみると
①八方美人
②復讐
③無能の証明
大きく分けてこのようなものが浮かびます。

八方美人

 家庭でよく問題になりがちです。要するに、王様化します。もっといえば凶暴化します。暴言暴力は当たり前で、両親が頭を悩ませてスクールカウンセラーのところに相談に来ます。家庭の力だけでは解決できないので、専門機関や学校と連携して取り組みましょう。学級担任だけでなく教科担任や部活の顧問等で協力し、個性を活かせる場を探します。
 このような子は認証欲求が強いので、得意な分野で認められればだんだんと生活も落ち着いてくるケースが多いです。

復讐

 誰かに認めてほしかった子が、復讐にはしります。教師、親、友だち、世界に対して復讐を企てます。何かを求めているのではなく、ただ嫌がらせをしてきます。嫌がることを、してきます。
  これは単純に愛情の裏返しです。認めてほしく、愛してほしかった。でもそれが叶わなかった。なので嫌がらせをして、嫌われたいのです。嫌われる、つまり、構ってもらえる。意識してもらえる。特別な誰かであれる。
 ここまできてしまうと、もう家庭と学校の協力だけでは手に負えません。カウンセラーや医療に頼ります。ただし、本人は医療を拒むことが多いです。

無能の証明

 自己肯定感の低さが極まれるとここに至ります。もう何をしても無駄だ、と無気力になります。うつ病とは違い、ただただそこにいるだけになります。反抗すらしなくなります。学校に来て、授業中は座っているだけ。ノートも取らず、テストも白紙。提出物も出さず、指摘されてもごめんなさいを言うだけ。
 このような子に対してもやはり専門機関を頼るしかありません。こちらから働きかけて変わることは稀です。何かのきっかけで変わることはありますが、自発的に変わることを待つのが一番です。ただ、どんなときでもそばにいてあげて、無駄でもいいから話しかけ、情報を入れてあげることが大切です。寄り添ってあげましょう。
 ちなみにこのような行動に出るのは、彼らが”可能性の中に生きている”からです。何を試してもダメだった彼らは、無力を学習しています。なので何もしない選択をします。”ぼくは、やればできる”のです。
 失敗してもよい、彼らを受け入れてくれる環境こそが大切です。甘やかしに近い環境づくりが大切なのです。叱る、は次のステップです。
 ただし、こうなってしまったら一緒に暮らす保護者の理解と協力が不可欠です。さらに保護者へのカウンセリングやヒアリングも不可欠です。子どもだけでなく保護者も、自分を守るためにカウンセリングに通いましょう。

最後に

 自信がないのは結構なことです。石橋を叩いて渡る慎重さは大切です。ですが、自己肯定感の低さは問題です。「生きていても仕方ない」と感じて自殺にはしってしまうのが一番恐ろしいです。受け入れ、認め、肯定する。このスモールステップが彼らの自己肯定感を高めていくのです。
 良いことは褒める。でも、ならぬものはならぬと叱る。保護者が迷わないこと。心配なら関係機関を頼ること。自分一人で子育てをしないこと。これが大切です。